2011年4月20日水曜日

【号外:破滅への設計図、TPP】

以前から「乗り遅れるな!」などと報道されるものの内容が全くわからずきな臭く思っていたTPP
元じゃがたらのギタリストが、いまTPP問題に切り込む
これを読んで全容が見え始めました。

その後見つけたのがこの動画。未見の人は是非。震災前に放送された関西テレビのニュース番組の動画です。
以前削除されて、またupされました。 今後も削除される可能性があります。

【TPP アメリカの本当の狙い】
前編

後編


ヤバイ、と食いついた方、長いですけど是非こちらも。4/29までに削除されるとの事ですのでお早めに。
【モンサント(ベトナム戦争の枯葉剤を作った会社)の世界戦略】各48分。

前編 遺伝子組換え作物の危険性について。

後編 自社の種と農薬で世界の市場を支配、天然資源と小規模農家を破壊


関連してこちらも是非ご覧下さい
【巨大種子企業に立ち向かうカナダの一農民 農民の権利と種子の未来とは? 】

遺伝子組み換え作物を食べる食べないだけじゃなくて、種も、農薬も、全部自社から買わせて、それを普及させようとするえげつない構造です。

NAFTA(北米自由貿易協定)後のカナダやメキシコでの出来事が、
TPP後に日本で起きる可能性は大と言わざるを得ません。

モンサントのドキュメントのなかにもちらっと出てましたが、
アメリカ政府とFDAはツーツーの利権のわかめスープですので、
タッグを組んでアグリビジネスで日本を侵攻してくるでしょう、
すでにアメリカでは新たな 食品安全法成立 してます。年間50万ドル以下の収益の小さい会社や家庭菜園で作った野菜などは今のところ対象外 ですが、もしこいつとTPPがタッグになったら、と考えると恐ろしいです。自然栽培には自家採取が必須なので、その方面の仕事に携わっている人たちは早くから動向を注視していますが、僕は原子力の二の舞を起こさないためにも、都会で生活している人たちからの大きなアクションがあるべきだと思っています。


震災後、管総理はTPPはしばらく見送るとの発言をしていましたが、
経団連や経済産業省(震災前にTPPを担当していたのは原子力保安員の西山英彦)は変わらずTPP推進を画策しており、先日ヒラリークリントンが来日してからは表立ってTPP推進のニュースが流れるようになりました。

経団連の会長、米倉弘昌は住友化学の会長でもあります。
震災後、米倉は経団連の会長としておおやけの発言で、現在の原発事業を擁護、推進しています。

こちらもご参照ください
東海村JCO臨界事故 wiki
JCOは住友金属鉱山の子会社です。

そして住友化学は昨年暮れにモンサントと除草剤で業務提携しています。

共産党の志位委員長だけはTPP断固反対を表明しています。
背後のアリ、ナシがここに来てわかり易くなってきていると感じています。


(追記:アメリカはオバマになっても景気は低迷したままで、仕事は無く消費ムードも上がらずで、経済が大分行き詰まっている為、国外に矛先を向けている)

原発問題、TPPについての問題点、さらには現在大阪で起きているクラブの弾圧問題なども、調べれば調べるほど強くなる思いがあります。それを先日の御堂筋デモの際、会報ビラとして配りました(ひとつ前のポストしました)
特に原発とTPPについては、事の成り行きに大きな共通点を感じます。

以前もポストしましたが、もう一度。こちらも4/29までに削除される模様ですので未見の方はお早めに。

【原発導入のシナリオ ~冷戦下の対日原子力戦略~ NHK 現代史スクープドキュメント】1994年放送 40分

正力松太郎は第2次世界大戦のA級戦犯でしたが不起訴で釈放され
、読売新聞、日本テレビの社長を経て、政界に進出します。
メディアは握っていたものの、政界内では大して力のなかった彼の権力欲と、アメリカの思惑が重なったのが
たまたま「原子力」だったのです。
これについては、公開されたCIAの機密文書からも明らかになっています。
原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書)



長くなりました。決して悲観的、悲壮感に包まれるのではなく、こういう過去から現在に渡るまでの流れ、事実も踏まえた上で、今後の復興から我々の未来は何処へ向かうべきなのかをそれぞれが考えなければいけないと思います。
それと今自分に出来る事、皆それぞれ考えた事でしょう。応援しあって、希望の光を灯し続けよう。

追記:
福島原発の爆発以降、体制や資本側の発信するニュースと、我々市民側が発信する内容は180度違うものになっており、非常時には「知る権利」など全く何の力にもならない事が発覚しました。消費者、国民はもっと怒るべきですし、言うべきことを言わないといけません!


ダメ!絶対!!TPP!!!



【追記】
その後の続報をコメント欄に追加していきます

7 件のコメント:

  1. TPP参加検討は直ちに中止を JAグループが提言

    JAグループは5月12日の全中理事会で「東日本大震災の教訓をふまえた農業復権に向けたJAグループの提言」を決めた。
    農業復権に向けたJAグループの提言は3月4日に組織協議案を公表して議論を進めてきたが、東日本大震災の発生を受けて組織協議を5月まで延長していた。
    提言では、東日本大震災の発生で、安心で安全な暮らしを守ることの重要性など人々の間に「価値観の変化」が起きているとして、これまでの市場原理の徹底による効率化や競争力追求といった発想を大きく転換することが必要だと強調。TPP(環太平洋連携協定)は、従来の自由貿易至上主義の延長でしかなく、これへの参加検討は「時代錯誤」であるとして「直ちに中止すべき」であると訴えている。

    農協新聞 2011.05.16
    http://www.jacom.or.jp/news/2011/05/news110516-13487.php

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  2. 福島第一原発事故で、政府が決定した東京電力による損害賠償の支払いを支援する枠組みについて、
    日本経団連の米倉会長は「政府の責任も問うべきだ」とする考えを示す。
    http://www.youtube.com/watch?v=iP7tjvpPTZI
    2011.05.13 北京

    TPPを推進する経団連の副会長は常に東電の役員である。

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  3. これが言いたい:TPPの問題は農業への打撃だけではない=色平哲郎

     ◇参加は医療基盤崩壊への道--佐久総合病院・地域ケア科医長、色平哲郎
     東日本大震災の被災者救済を迫られ、原発事故収束の見通しも立たぬ中、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加を促す議論が経済界などから出ている。

     日本経団連は4月19日に発表した「わが国の通商戦略に関する提言」で早期参加を訴えた。だが、TPP参加は被災地の基幹産業である農漁業への打撃だけでなく、医療基盤の崩壊を通じても国民の苦境に追い打ちをかける恐れが十分にあると警告したい。

     大震災では、地域医療態勢の疲弊が浮き彫りになった。 福島県南相馬市では、多くの入院患者が近隣の市町村に移送された。しかし、収容能力には限界があり、遠く離れた会津地方や新潟県などに移った人も少なくない。患者と家族が離ればなれになったケースもある。病院が機能を弱める中、それを補完する在宅ケアの態勢構築も課題だ。

     国民の命を支える皆保険制度は元々、医療費膨張による財政悪化と医療への市場原理導入という二つの危機に直面していた。

     TPP参加は「最後の一撃」になりうる。米国が日本に医療市場開放を迫っているからだ。米国政府が日本に突きつけた08年の年次改革要望書には「医療制度改革で米国業界の意見を十分に考慮せよ」「米国製薬業界の代表を中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会の委員に選任せよ」など露骨な要求が多く盛り込まれている。

     最大の狙いは、医療側が勝手に値段をつける「自由診療」と公定価格(診療報酬)に基づく「保険診療」を組み合わせた「混合診療」の全面解禁だろう。混合診療は日本でも一部の先進医療に限って認められており、現行制度をうまく運用すれば患者の多様なニーズに対応できる。

     しかし、混合診療が全面解禁されれば、効果が不確かな保険適用外の薬や治療法を多用し利幅を広げる動機付けが医療側に生じる。裕福な患者を優遇する医療機関が現れ、製薬会社も利益拡大のため、あえて薬の保険収載(公的保険の対象とすること)を望まなくなる。

     もうけの薄い農山村地域や救急医療などの分野では医師不足に拍車がかかり、満足に医療を受けられない国民が増えるだろう。所得による医療格差が大きな問題になっている米国と同じような状況になりかねない。

         *

     私は、佐久総合病院(長野県佐久市)の院長で農村医学の先駆者として知られた故・若月俊一先生に師事し、同県南相木村の国保診療所長を98年から10年間務めた。人口約1000人の同村には鉄道も国道もないが、都市部にとっても貴重な水源を守っている。田畑は食料を生産するだけでなく、ダムと同じ保水機能で水害や土砂災害を防いでいる。人口は少なくても、農山村は国土の「背骨」の役割を果たしているのだ。

     TPPで利益を得るのは多国籍化した大企業であり、土地に根ざして生きる人々ではない。一般庶民にも恩恵をもたらすと考えるのは、あまりにも楽天的であろう。むしろ、TPP参加は国の背骨を壊す。その影響は都市住民にも間違いなく及ぶ。

     「トモダチ作戦」などで支援してくれた米国の要求は断りにくいという意見もある。しかし、支援への感謝と国の在り方をめぐる選択は別次元だ。最近は米国や中国でも、日本と同じ国民皆保険制度を導入する動きがある。世界最速で高齢化が進む日本こそ、50年間維持してきた同制度を守り育てるべきだ。

    ==============
     ■人物略歴

     ◇いろひら・てつろう
     東大中退、世界を放浪後に京大医学部卒。外国人HIV感染者の支援にも携わる。

    毎日新聞 2011年5月19日 東京朝刊

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  4. [TPP反対 ふるさと危機キャンペーン TPP“主導国”] 米国外交公文から読む 本音と現実 上 (日本農業新聞5月19日)

     ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官は「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ」と語った。(米国大使館公電から)

     環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でニュージーランドと米国は、農地への投資制度や食品の安全性などの規制や基準を統一した「絶対標準」を定め、受け入れ国を広げることで経済自由化を進めようとしている――。TPP交渉を主導する両国のこうした狙いが、在ニュージーランド米国大使館の秘密公電に記載されていた両国政府の交渉当局者の会話から浮かび上がった。ニュージーランドの交渉当局者は「絶対標準」を受け入れさせる国として日本と韓国を名指ししている。これは国内の規制や基準の緩和・撤廃につながり農業だけでなく国民生活の多くに影響を与える可能性がある。公電は、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」が公表。ニュージーランドの当局者らへの取材と合わせて分析した結果を報告する。

     囲み記事は2010年2月19日、ニュージーランドのシンクレアTPP首席交渉官が、米国務省のフランキー・リード国務副次官補(東アジア・太平洋担当)に語った内容だ。シンクレア氏は、TPPの目標が農産物などの市場開放だけではなく、アジアなどで推進する米国型の経済の自由化が両国の長期的利益につながると強調した。

     公電は、ニュージーランドのウェリントン市内で行われた両者の会談の概要を、当地の米国大使館がまとめた。「秘密」扱いだ。外交を担当する国務省だけでなく、農務省や通商代表部などにも送るよう記述してある。

     日本農業新聞の取材に応じたシンクレア氏は、公電にある自分の発言に対する真偽については確認を拒んだ。しかし、TPP交渉では投資や金融、知的所有権など幅広い分野が対象になり、中国を含めたアジア太平洋州で経済の自由化を進めることが交渉の目的であると強調。実質的に公電の内容に沿った発言だ。

     公電によると、シンクレア氏が強調したのは、日本と韓国などに「絶対標準」を受け入れさせることの重要性だ。農地や農業関連分野への投資が米国などに比べて難しいとされるアジア市場で、TPPをてこにして、自由貿易圏を広げていくことが長期的な目標だと明言。米国と同一歩調を取る考えを明らかにした。

     両国の交渉当局者が、国の違いを超え通商や経済の自由化の障害となる規制や基準を緩和・撤廃させるための仕組みづくりを話し合っていたことがうかがえる。

    〈ことば〉 ウィキリークス

     政府や企業などの情報を内部告発で入手し、ウェブサイトで公表する組織。オーストラリアの元ハッカー、ジュリアン・アサンジ氏が06年に立ち上げた。これまでイラク戦争の秘密情報などを暴露。米政府などは情報が関係者を危険に陥れる可能性があるとして批判している。米国大使館の公文書も米政府内の情報提供者から入手し、文書数は25万点に上る。その一部を、ウィキリークス関係者が日本農業新聞に提供した。

    ・TPPの問題点 ニュージーランド・オークランド大学法学部のジェーン・ケルシー教授に聞く

     ニュージーランド・オークランド大学法学部のジェーン・ケルシー教授に、環太平洋経済連携協定(TPP)の問題点などを聞いた。

     ―――TPP交渉での農産物の市場開放についてどう考えますか。

     ニュージーランドの農業にとって最大の関心事は米国市場の開放だが、米国は自分のセンシティブなマーケット(重要品目の市場)を守ってきた。実際、米国とオーストラリアとの自由貿易協定(FTA)交渉は砂糖、牛肉、乳製品の市場開放を制限して決着した。米国は常にテーブルの上から乳製品を取り除くように努力しており、今回のTPP交渉でも同じだ。

     ―――TPPで何が一番問題ですか。

     TPP交渉の重要な特徴の一つが、「規制の調和」。基準や規制を国際的に統一していこうというものだ。米国が熱心に進めようとしている。衛生基準や知的所有権などが 対象になる。中国を含めたアジア全体のルールを、米国主導で決めていこうという狙いがある。

     ―――ニュージーランドの乳業団体などは何を求めようとしているのでしょうか。

     米国市場の開放は期待できないが、投資の面で規制が緩和されれば利点は大きい。例えばベトナムの農協の酪農事業に出資するとか、チリやペルーでの農地取得を進めやすくなるといったことが想定される。

     ―――ニュージーランドにとってどのような不利益が予測されますか。

     まず、比較的安価な医薬品を供給している医薬品政策への悪影響だ。医薬品管理庁が買い入れて安く供給する仕組みがあるが、公的機関が購入することに国際医薬品企業は批判的な態度を続けてきた。米国はTPPで必ずこの制度の撤廃を要求してくるだろう。

     薬の価格を市場原理に任せようという主張であり、日本の公的な健康保険制度が攻撃される可能性もある。米国の要求が通れば貧しい人たちへの打撃となるだろう。

     ニュージーランドは民営化と規制緩和の失敗という負の財産を抱えている。多くの銀行が規制緩和の中で外資の支配下に入り、小さな町、田舎の銀行店舗が廃止された。

     投資分野も問題が大きい。米国の企業が内国民待遇(進出先の国の企業と同じ権利を保障されること)を得れば、外国でも直接その国の政府を訴えることができるようになる。

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  5. [TPP反対 ふるさと危機キャンペーン TPP“主導国”] 米国外交公電から読む 規制緩和 下 (05月21日)


     「モンサント社が、ニュージーランドの遺伝子組み換え規制が嫌いなのは周知の事実」(ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官の発言)。海外からの農地への投資に対する規制緩和などは国民の評判が悪いことも付け加えた。(米国大使館公電から)
     ニュージーランドは1984年に大胆な規制緩和をスタート、世界的に民営化の優等生となった――。こんなイメージが強く、日本の「小泉改革」の際にも手本とされた。

     首都ウェリントン市から北に車で3時間の位置にある地域の中核都市・マスタートン市。近くに住むもやし栽培農家のジェレミー・ホウデンさん(55)は、違う見方をしていた。

     「市中心部には銀行店舗がいくつかあるが、少し外れるとほとんどない。国営郵便局が解体され外資に売られ、もうからない店舗は廃業させられたからだ。住民は皆、不便を強いられるようになった。大企業はもうかっても国民に利点はない」

     民営化などに詳しいオークランド大学法学部のジェーン・ケルシー教授は「ニュージーランドは規制緩和の痛い失敗を繰り返してきた」と指摘する。その典型の一つが建設業界の規制緩和だ。

     昨年5月、ニュージーランドのモーリス・ウィリアムソン建設相が記者会見で驚くべき発表をした。90年代半ばから2000年代初めに建てられた個人住宅の雨漏りの補修について「国と地方自治体で費用の半分を負担する。残り半分も融資に政府保証を付ける」ことを明らかにしたのだ。約4万2000戸が対象となると見込む。

     なぜ、個人住宅の修理費用を国が面倒を見るのか。答えは90年代に立て続けに行われた建築基準の緩和を契機に、多くの住宅が雨漏りや腐れの問題に直面したからだ。相次ぐ苦情に政府は重い腰を上げ、規制緩和で使用が認められた防腐処理をしない合板の利用などが原因であることを突き止めた。2000年代に入り政府は慌てて規制を強化したり検査を厳しくしたりしたが、“後の祭り”となった。

     囲み記事(上)にあるウィキリークスが報じた在ニュージーランド米国大使館の外交公電によると、ニュージーランドのマーク・シンクレア環太平洋経済連携協定(TPP)首席交渉官は、食品安全などの規制緩和に対する国民の懸念と、TPPを推進する側との意見の違いが大きいことを米国に素直に伝えている。

     ニュージーランド労働組合評議会のビル・ローゼンバーグ政策局長は指摘する。

     「TPPがこのまま進めば安価な労働力への依存や安価な薬価政策の見直し、多国籍企業による規制への訴訟が増え国民生活を圧迫する。米国からニュージーランドへの投資規制の撤廃が迫られることは確実だ」

     世界に先駆け規制緩和を大胆に進め、その失敗から規制緩和が国民生活に牙をむく可能性があることを知るニュージーランド。ケルシー教授は「TPPが結ばれれば、国民が必要だと感じても再規制の道が閉ざされる。問題は、国が役割を果たせなくなってしまうことだ」と警告する。

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  6. FTA交渉、共同研究1年前倒し 中国、日本に揺さぶり
    SankeiBiz 2011.5.24 20:51

     米国が主導する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の拡大交渉が進展する中、中国が日本に揺さぶりをかけ始めた。日中韓3カ国による自由貿易協定(FTA)に積極的な姿勢を示し、TPP参加を決められない日本に誘い水をちらつかせる。日本はTPPに軸足を置きつつ日中韓FTAも視野に入れる両にらみの構えだが、農業問題を抱える中、どちらの交渉からも取り残される懸念もある。

     「中国が本気で日韓に市場を開くかは疑問だ」

     経済産業省幹部は、22日の日中韓首脳会合でみせた中国の“心変わり”に不信感を抱いている。首脳会合では、日中韓FTA交渉の準備段階となる共同研究について1年前倒しして今年中に終えることで合意。中国が前向きな姿勢を示したことが合意につながった。

     これまでも中国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)に日中韓を加えた枠組みなどを重視。だが、自国産業保護のため外資系企業の国内投資などを規制している中国が、本気で市場を開放するとみる向きはほとんどなかった。事実、中国は主要な工業国とは一切FTAを結んでいない。

     それが一転、日中韓の連携に動いた背景にあるのがTPPだ。米国やオーストラリアなどTPP拡大交渉に参加する9カ国は19日の閣僚級会合で、11月までに大枠合意することで一致。世界2位の経済大国である中国を外したTPP交渉は大きく進もうとしている。

     経産省幹部は「中国はTPP交渉に参加していない日韓を取り込めば、日韓が中国を重視していると国際社会にアピールできる。TPP陣営にくさびを打ち込む政治的な意味合いが大きい」と分析。同時に「各国からTPP参加の決断を求められているのに決められない日本」(政府関係者)を見透かした揺さぶりとも受け止められている。

     日本では東日本大震災後、TPPで打撃を受ける農業支援の論議が事実上停止。交渉参加の判断時期を6月から11月に先送りすることを決めたばかりだ。

     今のところ日本政府はTPPを最優先としつつ日中韓FTAの研究も進める方針。両方を追求して交渉条件を優位にする思惑があるが、政府内では「農業で迷走する現状ではどちらも進められない心配もある」との冷ややかな声が漏れる。

     浦田秀次郎・早稲田大学大学院教授は「TPPを意識する中国に対して、日本が積極的に経済連携を働きかけるぐらいの戦略を持つべきだ」と話している。

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  7. 外資が収奪する全国モデル 政府の東北「復興」計画
    農地や漁業権奪い企業化 長周新聞2011年6月1日

    復興に金の亡者が群がってきています!
    http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/gaisigasyudatusuruzenkokumoderu.html

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